どういう物件が売れやすいのか

2022-12-10

売却

不動産には
●差別化をしやすい物件
●差別化をしにくい物件
があります。

●差別化をしやすい物件
⇒実力差が出やすい=どの会社、どの営業マンが売るかで数百万円以上の差になる

●差別化をしにくい
⇒どこの会社、どの営業マンが売ってもさほど変わりない

これは当たり前といえば当たり前ですが詳しくご説明させていただきます。

●差別化しにくい物件


例えば晴海・豊洲などのタワーマンションが多く建つエリアのタワマンは特にそうです。

5年前に新築でタワーマンションを購入し、
売却しようとしたら既に周りには同じようなタワーマンションが多くあります。
しかもタワーマンションですと間取りがほぼ同じ住戸がたくさんあります。
⇒建築時の設計の手間の削減による弊害です。
そしてタワーマンションなのでどの住戸でも眺望・日当たりはたいして変わらないです。
(眺めはよく、日当たりは良いです)
(さらにさらに新築時から未だに売れていない未入居住戸もあるケースもあります)

そうなると購入希望者は相対比較ができるので、
単純に一番コストパフォーマンスが良い住戸(坪単価が安い)から売れていきます。

例えば晴海住所ですと大規模マンションでこれだけのマンションがあります。
◆ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス
2013年築 総戸数883戸 勝どき駅11分

ザ・パークハウス 晴海タワーズ ティアロレジデンス
2016年築 総戸数861戸 勝どき駅13分

◆パークタワー晴海
2019年築 総戸数1076戸 勝どき駅15分

DEUX TOURS CANAL&SPA EAST・WEST
2015年築 総戸数1450戸 勝どき駅9分

◆ベイサイドタワー晴海
2017年築 総戸数352戸 勝どき駅10分

◆ベイシティ晴海スカイリンクタワー
2009年築 総戸数738戸 勝どき駅8分

◆ザ・晴海レジデンス
2009年築 総戸数438戸 勝どき駅12分

◆晴海テラス
2009年築 総戸数378戸 勝どき駅11分

これだけあれば売却時に
似ている条件の物件と必ずバッティングします。

そうなると1坪あたりの単価で比較して安い住戸から売れていくことになるので、
実力者が担当しても素人が担当しても売れる金額に差はほとんどでないです。
※差が出るのはせいぜい10-90万円程度でしょうか。

晴海エリアのマンションを例にとりましたがこれは他のエリアでも当てはまります。
※特にマンションの場合

なぜならマンションは同じ立地条件に建築されやすく、戸建に比べ母数が多く
かつ条件(間取りや採光条件)が似やすいので
”同時期に同じような条件で売り出されている住戸が複数ある”ことが高い確率で起こります。
規模が大きいマンションですと
”常に複数の住戸が売りに出ている状態”となっています。

そうなると晴海と同じように単純に単価比較(1坪単価/1㎡単価)となります。

※もちろん住戸の内装状態や採光面、階数によって多少の差は出ますが、
それは類似物件の状況を見てみないとなんともいえません。あくまで相対比較なので。

極端な話ですが
同じマンションで同じ階、同じ間取りで同じ面積、同じ方位の隣同士の部屋が同時期に売り出された場合、(505号室、506号室、ともに66㎡(20坪)とします)
505号室:4,000万円(坪単価200万円)
506号室:4,200万円(坪単価210万円)
上記条件であれば、当然505号室が先に売れます。

【結論】
類似した条件の比較物件がなければ担当者の実力によって売れる金額は変わってきますが
類似条件があるといくら実力があっても相対比較となってしまうので、
物件価格次第となってしまいます。

不動産だと金額が○○万円となるので金銭感覚がずれがちですが、
担当者の実力によって数十万は変わります。
数十万円の重みを忘れないようにしたいですね。

●差別化しやすい物件
これは差別化しにくい物件の逆になります。

マンションと違って戸建は相対比較が難しいです。
以前それについて記事を書いておりますので参照していただければと!

その中でも築15-20年を超えた戸建は特に差が出やすいです。
なぜならそれくらい経過していると
・そろそろ外壁をリフォーム
・そろそろ屋根をリフォーム
といった時期になるからです。

このあたりは建築/リフォームの知識があるないで大きく変わります。
そもそも安く購入しても、購入後すぐにリフォームで大きな金額がかかるとなると
購入するのを躊躇しますよね。

世間一般的には未だに
・木造は30年くらいで寿命
・外壁は10年くらいで交換したほうが良い
といった認識を持つ方が多いです。

確かに早めに対策をするのは悪いことではないのですが
そこまでする必要はないのが現実だと思います。

新築は保証も付きますし、営業力さえあれば素人でも売れます。
ただ中古は保証がないですし、少なからずリフォームをする(クロスの張替えやトイレ交換等)ので
そういった建築・リフォーム面の知識のほうが重要な要素となります。

また2階建に比べて3階建は差が付きやすいです。
なぜなら戸建は『土地と建物に分けて価格を算出する傾向』が強く、
土地面積の小さい3階建ては価値を低く見られがちです。
ただここもマンションと同じように「延べ床面積での比較」に持ち込めれば価格を上げられます。

あとは都心部に近いエリアでしょうか。
これは都心部に近ければ近いほどそうなのですが、
都心部の方が類似条件の物件が同時期に出ている可能性は低いですし、
空地がないので新規物件が出にくいです。
そして便利なところなので売却する理由がない(売った後に今より不便な場所になるので売る理由がない)、というので流通量が少ないです。
また駅からは近ければ近いほどというのもあります。

円の面積で考えると
半径5cmの円の面積:25π㎡
半径10cmの円の面積:100π㎡
半径15cmの円の面積:225π㎡
半径20cmの円の面積:400π㎡
このようになります。

これを駅徒歩5分圏内、駅徒歩10分圏内、駅徒歩15分圏内、駅徒歩20分圏内
とすると駅距離が遠ければ遠いほど対象エリアが広くなる=類似物件の出現率が上がる
となります。

とにかく
同じような条件の物件が少ない
というのが一番のポイントになります。

●まとめ
今回の話は
”少しでも高く売れる”
”誰が担当するかで差が出る、出ない”
ということを軸に話しております。

では、
誰が販売してもさほど変わらない類似性の高い物件だと高く売れないのかというとそうではありません。
↑こちらの記事でも書いておりますが、基本的に土地価格が上がっているので
数年前~十数年前に購入した価格以上で売れたということは当たり前となっております。

そもそも保有期間に建物は減価償却していますし、住宅ローンの残債も減っているので
当時購入価格と同じ価格で売れる時点で”かなり高く売れた”ことになります。

そのうえで”より高く売りやすいのはどういう物件か”というのが
今回の記事の内容になっており、
決して比較物件が多いから値下がりしてしまうということではありません。

齋藤

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