戸建の売却とマンションの売却で、どちらが差が出やすいかというと戸建です。差が出やすいというのは誰が売るかによって結果(=売れる金額)にどれくらい差が出るかという意味です。
どういうことかと言いますと
マンションというのはほとんど同じであり、
”同時期に同エリアで似たような物件が販売されていること”は珍しいことではなく、
相場がある程度形成されてしまいます。
対して戸建はというと
”同時期に同エリアで同じような物件が販売されていること”は稀であり
査定が完全マニュアルとなります。
マンションの査定は非常にシンプルで例えば査定物件が
練馬駅徒歩8分 専有面積65㎡(19.66坪) 2000年築
という条件であれば
①練馬駅徒歩10分圏内 専有面積60-70㎡ 1990-2010年築
で現在販売されている物件を検索して大枠の坪単価を算出
→280~320万円/坪
➁直近1年間の同条件下の成約価格を算出
→250~290万円/坪
③建物の内装状況で微調整
→水回りの交換をしないと売りずらい物件なのか、クリーニングだけで売れそうなのか等
この①➁③を総合して
売れる値段は5,111~5,701万円(260-290万円/坪計算)
「最初は様子見で5,980万円販売スタートして、問い合わせ状況みて徐々に下げていきましょう」
こういった感じです。
対して戸建は
同条件で現在販売中の物件を探しても、直近の成約事例を探しても”ない”ケースが多いです。
そして
建物面積が80㎡だとしても
・土地面積50㎡の3階建て80㎡
・土地面積80㎡の2階建て80㎡(整形地)
・土地面積80㎡の2階建て80㎡(旗竿地)
・土地面積120㎡の車庫スペース2台付き、2階建て80㎡
と、どれなのかによって価格に違いが出てきます。
なので価格の読みが非常に難しいのです。
また比較物件がないと購入検討者は商品が高額なので結論が出せません。
そこをどうやって
「この物件の価格はこういった根拠に基づいて算出しておりますので妥当な値段です」
「沿線で比較すると隣の駅でこういった物件があるので、そちらと比較すると本物件は割安です」
「同エリアで同じ床面積のマンションを購入しようとすると○○万円かかり、毎月の支払いで比較すると本物件価格は妥当と言えます」
こういった説明ができるかが大事になります。
またマンションですと自分以外にも選んでいる人がいる(ほかにも同じマンションを選んで実際に住んでいる人がいる)安心感がありますが、
戸建は唯一無二ですので、マンションに比べ購入検討者は不安を持つケースが多いです。
そこをどう説明できるかというのは完全に担当営業マンマターですので、
マンションに比べて担当営業マンの関与割合は大きくなり、
担当営業マンによって売れるスピード、売れる価格は大きく異なるのです。
また戸建でも特に
◆土地面積の小さな3階建て
◆旗竿地
◆借地
◆築20年以上
は差が付きやすくなってきます。
理由としては「それを扱ったことのある経験が豊富な営業マンと乏しい人とでその物件の見え方が大きく変わる」ためです。
特に弊社のある練馬区ですと戸建でも95-98%は2階建てだと思います。
そうなると少数派嫌いで周囲に合わせたがる日本人は3階建てを不安に思います。
旗竿地や借地権の物件も同じようにマイナーです。
私は新卒で入社した会社で狭小住宅(通称ペンシルハウス)を売りまくっていましたし、
旗竿地や借地権、線路際や墓前の物件もかなり経験をしております。
セールスする人が販売するモノを「本当に良いモノだと思っているかどうか」は伝わってしまいます。
つまりマイナーなもの(比較対象が少ないモノ)をどれだけ上手く説明して”良いと思ってもらうか”が大事なスキルなのです。
築20年以上の戸建はリフォームが必要になるケースが多いです。
見学に来たお客様が
「水回り全部交換と床張り替え、クロス貼り替えとクリーニングでいくらくらいかかりますか」
「屋根の補修っていつ頃すればよいですか」
「ここの壁を壊して寝室をつなげることは可能ですか」
「リフォーム費用も住宅ローンに組みこむことはできますか」
こういった質問をしてきたときに
その場で全て回答できる営業マンなのか持ち帰って専門家に確認して回答します営業マンなのか
で売れるスピード、買主からの信頼は大きく変わってきます。
そういった様々な理由で戸建は
誰が売るか(=誰に売却活動を委託するか)
で結果が大きく変わるのです。
齋藤