売却を検討されているかたからの多い質問で「現状のまま住むのは難しそうなので壁紙とか全部交換してから売ったほうが良いですか」
といったリフォームをした状態で売却をしたほうが良いのかというものがあります。
一旦別の例(戸建の販売)でご説明させていただきます。
戸建でいうと以下のようなイメージになります。
①(=そのままの状態で売る)は完成前の更地の状態で戸建を売る
➁(=リフォーム済みの状態で売る)は完成して現物を確認できる状態で売る
当然①(更地で売る)のほうが難易度は高いです。
ただ①で買うメリットとして、
「まだ着工していないので床の色や壁紙の色、キッチンの仕様等が無料で変更できる」
というのがあれば①と➁どちらが良いでしょうか。
もちろん
高い金額だから現物を確認できない状態では購入する決断ができない
というかたは一定数いると思いますが、
こちらについては仲介営業マン次第でかなり変わります。
何千万する家を更地の状態で売るというのは不動産業界に飛び込んだ当初は難しいものだと思いました。
ただ私は今まで”完成前の状態で700件以上の戸建販売”をしてきましたし、
不動産業界以外の営業職である証券マンや保険の営業マンからすると「形ないものを売る」ことはもはや当たり前であり、
「高価なものは現物を見てもらわないと売れない」というのは売手側の主観なのです。
ただ誰にでもできるわけではなくそれなりの経験値がないと買主さんに
◆イメージしてもらう
◆信用してもらう
◆きちんと流れを説明して自分でリフォームを発注するのが難しくないというのを納得してもらう
◆そういった融資の提案ができる
こういったことができません。
売主さんがリフォームをしてくれたら仲介としてはその綺麗な状態をただ見せれば良いので
極端な話、素人でも売れます。
ただ売主さんがしたリフォームの内容が
購入検討者の好みに合わない・予算の関係上古くても安ければ良い
などの理由で購入見送りということになる可能性があります。
そして売主さんからすると
・自分が住むわけではないのにリフォームの打ち合わせに時間を取られる
・リフォーム費用を一時的に建て替えないといけない
というリスクがあります。
リフォームしたほうが売れますという不動産営業マンは
「自分は実力ないので、とりあえず綺麗な状態にしてください!」と言っているようなものです。
できる営業マンに売却を任せれば戸建でいうところの
「まだ着工していないので床の色や壁紙の色、キッチンの仕様等が無料で変更できる」
というようなバリューを出すことができます。
元の話に戻りまして
「売却物件をリフォームをしない状態で売るか、リフォームをしてから売るか」
結論から言うと【リフォームをしない状態で売る】ほうが選択肢・売れる確率は高まります。
※ある程度売却担当がプロフェッショナルであるという前提です。
結局、リフォームをして売却した場合、
その【リフォーム費用+少しの利益】を上乗せして売却することになります。
例)
①そのままの状態で売るなら3,000万円
➁リフォーム(壁紙交換、給湯器交換、トイレ交換、キッチン交換、ユニットバス交換)費用が400万円かかるのでリフォーム済み状態で3,480万円(元の状態+リフォーム費用+リフォーム分利益)
買主からすると
①が良い方もいれば➁が良い方もいます。
①そのままの状態が良い買主
どうせ壁紙交換するなら白じゃなくてグレーが良かった&キッチンは韓国のメーカーを入れたいのに日本製の安いやつが入ってるじゃん。。。
リフォーム前の3,000万円で買って、自分でリフォーム内容決めたかった。というようなかた
➁リフォーム済みの状態が良い買主
家に対して全く拘りがなく、綺麗であれば良い。というかた
ではどちらにすればより良いかというと①です。
なぜなら①であれば➁のお客様も対応次第でカバーできるからです。
リフォームもパッケージ化されたものもあり、
一から自分たちで決めないといけないという面倒は省くことができます。
私がある程度レールを敷くことで買主は”リフォームの手続きがめんどくさい”という悩みを解決できます。
ただもちろん人間は本能的な生き物ですので
綺麗で、良い匂いで、明るくて、快適な物件のほうが当然好印象を持ちます。
何が言いたいかというと
「並みの営業マンが窓口だと”ただの古い物件”という扱いをされるだけ」
です。
建築士であったり、リノベーションコーディネーターといった資格を有した仲介担当者が窓口になれば「リフォーム前の状態のほうが間違いなく売りやすいです」
ですので一般的にどちらが良いかという正解はないのですが
「実力のある担当者がつくという前提であれば、リフォーム前の状態で売る」
のが良いのではないかと思います。
齋藤