ご自宅の査定をする上で【訪問査定】を希望するかたがいますが、これは実際は意味がありません。
こちらについてご説明させていただきます。
まず売却方法が【仲介】なのか【買取】なのかで意味合いが異なります。
<買取の場合>
買取の場合、どの設備がそのまま使えて、どこが交換必要なのかを確認する必要があるので
訪問査定の必要性が高くなります。
買取の場合、どういうフロー(業者の査定額算出方法)になっているかというと以下のようになります。
①まず内装を確認して交換の必要がある設備を確認して、リフォーム費用を算出
➁内装が綺麗になったとしての売却予想値を逆算(図の場合5,700万円)
③利益込の経費を算出(図の場合1,021万円)
④5,700万円 - 1,021万円の【4,679万円】が買取価格
このようになります。
ですので結論として
買取を希望される場合は訪問査定は必要となります。
さて続いては【仲介】の場合です。
基本的に訪問査定というのは上記の買取でしたのと同じで
「どこが経年劣化しているのか、間取りはそのままで使えるのか、直した方が良い箇所はあるのか」
をプロが確認する作業になります。
ただ仲介売却の場合、
そもそも相対比較になります。
例えば物件が
◆練馬区桜台
◆練馬駅徒歩12分
◆専有面積70㎡
◆2002年築(築20年)
◆7階建て3階
というスペックだとします。
私であればSUUMO等で
①池袋線「桜台~中村橋」駅 徒歩15分以内
➁専有面積60-80㎡
③1989年築以降(平成元年以降築)
④2階以上
という条件で検索して現在販売中の物件をリサーチします。
そうするとおのずとライバル物件が出てきます。
ただそのライバル物件(リフォーム済みの物件を除く)で分かるのはあくまで表面的な数字のみで
内装状態は見にいかないと分かりません。
もしかしたら内装がフルリフォームが必要なくらい劣化している場合もあれば
10万円程度のクリーニングでそのまま住める場合もあり、
その比較物件の状況が分からなければ意味がないというのが1点。
続いては上記の比較はあくまで”現在の販売物件との比較”であり、
販売物件はマーケット価格と必ず一致しているとは限りません。
そちらについては前回のブログに詳しく書いてあります。
より確実性を増すのであれば
直近1-2年での同条件での成約物件との比較をする必要があります。
現在販売中のライバル物件は見に行けば内装状態を実際に確認できますが
成約物件については”販売当時の内装状態”を知る由もありません。
成約物件の内装状態が分からなければ意味がないというのが2点目。
そして3点目が
内装状態の確認であれば訪問しなくても自己申告、写真で送っていただくだけで出来る
という点です。
綺麗/汚い、交換必要/交換不要などの感覚は人によって当然異なりますが、
「新築時から一度も交換していない」
「2年前に交換した」
などの数字的事実と現況写真をいただければ訪問査定と同様になります。
買取の場合は
少しでも高く売りたいお客様 vs 少しでも安く買いたい不動産会社
という利益の反する構図になりますので、
設備の不備等があるのを隠して報告されたら困るので不動産会社が自身の目で確かめるという作業が必要になりますが、
仲介の場合はお客様と不動産会社は味方になります。
嘘をついても何の得もありません。
なので不動産会社のほぼ全員は訪問査定は不要だと思っています。
ただ会社員の場合(特に不動産業界)、
成果とは別に行動量(KPI)の目標も設定されています。
『月に●件訪問査定します』
『月に●件物件案内します』
とかです。
なので必要性がないと思っていても
・行動目標(KPI)を達成するために、
あとは
・ピリピリ感満載の社内から脱出するための口実として
訪問査定をしたがるのです。
あとはやはり
対面で会う機会があったほうが確率が上がると思っている人が多いのが4点目だと思います。
私も最初は
営業は対面と非対面だと全然違う
と思っていました。
コロナ前はオンラインなんて触ったこともないですし、軽視していましたが
今はオンラインで会議するのが当たり前になっています。
オンライン用の資料を作って、対面と同じクオリティが出せる準備ができれば
対面である必要はありません。
もちろん
◆自宅だとオンラインのツールがない
◆慣れてないから対面が良い
というかたもいらっしゃるので、その場合は今まで通り対面で行わせていただいております。
実際、
訪問査定をしてもらうために家を片付けるのがめんどくさい
訪問査定で長い時間自宅で営業されたら嫌だ
というかたは多いです。
オンラインであればそういったことは一切ないですし、
設備についてはありのままの写真をいただけたほうが良いので、
訪問査定を【オンライン査定】に切り替えてはいかがでしょうか。
査定だけでなく、売却についての相談、売却の戦略打ち合わせなど
全てオンラインで完結できます。
DX後進国の日本、後進業界の不動産業界でオンラインを積極的に進めていきたいと思っております!
ご希望の際はお気軽にTAIKOにご連絡くださいませ。
齋藤