2023-01-14
不動産を活用して生活資金を確保する方法として、「リースバック」と「リバースモーゲージ」は近年注目を集めています。
この記事を見てる方のなかには、「リースバックって何?」「リバースモーゲージとの違いは?」と疑問を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで本記事では、リースバックとリバースモーゲージの仕組みの違いや、それぞれのメリット・デメリット、どちらの方法が向いているかについてご紹介します。
まず、「リースバック」と「リバースモーゲージ」の仕組みの違いについて確認していきましょう。
リースバックとは、生活資金を確保するためにご自宅を売却し、売却後も賃貸借契約を締結することで同じ家に住み続けられる仕組みのことです。
リースバックは、以下の流れでおこなわれます。
上記のとおり、リースバックは不動産の「売買」と「賃貸」を組み合わせたシンプルな仕組みです。
なお、新たな所有者と合意することができれば、売却したご自宅を買い戻すこともできます。
リバースモーゲージとは、ご自宅を担保とし、担保価値に応じた融資額を金融機関から借り入れすることができる仕組みのことです。
リバースモーゲージは、以下の流れでおこなわれます。
リバースモーゲージを利用して借り入れたお金は、契約時にまとめて受け取ることはもちろんできますが、毎月一定額を受け取る、決められた範囲内の金額を随時受け取るといった方法で受け取ることも可能です。
ただし、リバースモーゲージは、あくまでも金融機関からの借り入れであるため、融資の使い道が「金融機関が認めたもの」に限られてしまいます。
リースバックとリバースモーゲージのメリット・デメリットの違い
リースバックとリバースモーゲージには、先ほどご紹介したとおり「不動産取引」か「金融商品」かという大きな違いがあります。
それでは、2つの生活資金を確保する方法には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
こちらでは、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
リースバックは、不動産の「売買」と「賃貸」を組み合わせた仕組みであるため、ご自宅の所有権を手放すこととなります。
不動産の所有者に対しては、毎年固定資産税と都市計画税が課税されますが、所有権を手放すことで固定資産税の支払いをなくすことが可能です。
また、固定資産税だけではなく、建物に不具合が生じたときの修繕費や、マンションの場合は管理費・修繕積立金の支払いもなくなります。
リースバックでは、ご自宅を売却することとなり、所有権を手放すこととなります。
そのため、ご自宅が共有名義(複数人の名義で物件を所有している状態)である場合、売却するためには共有名義人全員の同意が必要となるため、売却までの合意形成に時間がかかってしまうでしょう。
また、ご自宅を購入した新たな所有者が、転売したり相続が発生したりすることで、別の所有者に所有権が移転するケースも少なくありません。
別の所有者に所有権が移転しまった場合でも締結している賃貸借契約は引き継がれますが、家賃の引き上げや立ち退きを請求されてしまう可能性も考えられるでしょう。
リースバックの場合、ご自宅の売却後に賃貸借契約を締結するため、毎月家賃を支払わなければいけません。
一方、リバースモーゲージでは、毎月利息分のみを金融機関に対して支払うこととなります。
そのため、毎月の支払額を少なくすることができ、支払いの負担を減らすことが可能です。
一般的には、利息分の支払いは数万円程度に収まることが多いため、返済のために自己資金を捻出するというリスクも少ないでしょう。
リバースモーゲージは、ご自宅を担保にすることで金融機関から融資を受ける金融商品の一種です。
そのため、生活資金として受け取ることができる融資額は、金融機関の担保評価によって大きく変動する可能性があり、融資の使い道も金融機関が認めたものに限られるなど融資条件が厳しくなってしまいます。
また、金融機関のなかには、利用者として高齢の方を想定している、対象物件が一戸建てのみ、安定した収入があるなどの条件が設定されている場合もあり、利用条件を満たせないケースも少なくありません。
ここまで「リースバック」と「リバースモーゲージ」の仕組みやメリット・デメリットの違いをご紹介しました。
最後に、どちらの方法がご自身に向いているか確認していきましょう。
リバースモーゲージの場合、融資を受けた資金の使い道が金融機関が認めたものに限られてしまいます。
そのため、「生活資金として融資を受けたけど、事業資金としても使いたい」という場合は、金融機関からの合意を得るなどの対応が必要です。
これに対して、リースバックを利用しご自宅の売却で得た資金には、使い道の制限がありません。
受け取った資金を生活資金としてだけでなく、事業資金や投資資金、将来的な住み替えの費用としても利用したいとお考えであれば、リースバックが向いている方法だと言えるでしょう。
相続が発生した際、相続人全員で遺産分割協議をおこない、被相続人の財産をどのように分けるかを決める必要があります。
不動産は現金や有価証券とは違い、均等に分けることが難しい財産であるため、相続人同士の意見が食い違い、トラブルになることも少なくありません。
リースバックでは、ご自宅を売却し現金化できるため、あらかじめ相続でのトラブルとなる原因を少なくすることができます。
リースバックは、ご自宅を売却することとなるため、所有権を手放さなければいけません。
その一方、リバースモーゲージでは、ご自宅を担保として金融機関から融資を受けることとなるため、所有権を移転することなく生活資金を確保することが可能です。
そのため、所有権を手放したくない方に向いている方法だと言えるでしょう。
ただし、所有権を持ち続けると、固定資産税や修繕費などの不動産を所有するための費用がかかるため、負担となってしまうことも考えられます。
まとめ
「リースバック」と「リバースモーゲージ」には、それぞれのメリット・デメリットがあり、ご自身の希望や条件次第でどちらのほうが向いているのかが変わってきます。
「不動産を活用して生活資金を確保したい」とお考えであれば、不動産会社と相談しながらご自身に合った方法を見つけるようにしましょう。
太古では、不動産の売却に関するご相談を承っております。
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